競売について
「不動産競売」とは、返済が滞った債権を回収するため、債権者が裁判所に対して申し立てを行い、債務者の所有不動産を裁判所が売却する手続きのことを指します。
不動産競売は、裁判所が間に入って行う取引です。 国の機関である裁判所が不動産の事実上売主となり、不動産の調査・評価を行い、その結果に基づいて入札形式で買主を決定することになります。 競売の申し立てを受けてから買主が決定するまで、約半年の期間があります。
この入札形式は、最低価格を決めたオークションのイメージです。
物件にもよりますが、落札金額は一般市場相場の60%~70%と言われております。
裁判所から「競売開始決定通知」が届いた後、一体どうなるのか?
競売申立を受けたからといって、すぐさま売却されることはありません。
法的には、物件の持ち主に落札金を受け取る権利があります。
しかし、債権回収という競売手続の目的を達成するため、裁判所が落札金を一旦受け取り、管理・配分することになります。
すなわち、落札金は裁判所に支払われ、その後各債権者に配分されます。
もし債権者が全額を回収できた場合、その残りは持ち主に配分されることになります。
ただ、実際に競売申立を受け、その手続内で債務を完済できるのは、非常に稀なケースです。
競売手続きにより強制的に物件が処分され、その落札金が住宅ローンなどの借入金額に満たなかった場合、その未払い金(残債)は支払い義務として債務者に厳然として残ります。
競売の種類
競売には次のような種類があります。
担保不動産競売
債務者・物上保証人から抵当権・根抵当権の設定を受けた担保権者が、抵当権(根抵当権)の実行として、担保である不動産の競売申立をした場合の名称。
強制競売
公正証書・判決等の「債務名義」に基づき、債権者が債務者または保証人の所有する不動産について競売申立をした場合の名称。 カードローン等無担保の借り入れの場合、こちらに当てはまります。
競売の価格と市場
「競売手続きの取引」について、一般の不動産の売買とは異なり基本的に裁判所は何ら責任を負ってくれません。 たとえば、購入した不動産物件に占有者がいる場合などは、裁判所が自動的に立ち退きをさせるのではなく、購入者の負担で立ち退かせなければなりません。
また、裁判所の調査ではわからなかった物件の不具合(建物が傾いてしまった・雨漏りが発生した等)にも、裁判所から損害の補償を受けることはできません。 競売手続で購入を考える入札者は、そのデメリットを差し引き、それでもお買い得と思われる金額で入札することになります。 裁判所もその背景を考慮し入札の最低ライン(売却可能価格)を、一般市場価格の5~6割に設定します。
裁判所が決定した売却可能価格で落札されると、残債が任意売却より多く残る可能性があります。

競売の手続きと流れ
裁判所から、「競売開始決定通知」が届いた後、一体どうなるのか?
お客様の多くが不安を感じてご相談に来られます。
競売申立を受けたからと言って、すぐさま売却されることはありません。
裁判所の物件調査、物件評価に最低1ヶ月は時間がかかります。
基本的な流れは、下の図をご参照ください。
開札(入札の結果発表)から実際に強制退去の手続きが行われるまで、約1~2ヶ月ほど時間がかかります。
※最近の競売手続きは驚くほど早くなっています。
競売開始後、約3ヶ月で落札された事例もあります。
また住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)は、売却の申出期間や最終取引期限がありますので、任意売却をご検討の際、ご注意が必要です。

住宅ローンの残債
競売手続きにより、強制的に物件が処分(換価)され、その落札金が住宅ローンなどの借入金額に満たなかった場合、その未払い金(残債)は支払い義務として債務者に厳然として残ります。
債権者としては、次のような債務者に対しては、競売に限らず様々な法的手段で債権を回収したいと考えます。
- 支払いを滞納し、かつ開き直っている債務者
- 任意売却を勧めたにも関わらず、無視した債務者
- 担保物件処分後も、残債について誠実な対処をしない債務者等
競売で安く落札されると、その残額も多額となります。
給与差し押えを防ぎ、他の財産を守るためには、
債権者との対話を前提とした、任意売却でのより多くの返済が必要となります。

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