リースバックの家賃設定の実態!相場と買取価格も紹介
リースバックは、家を売却しつつ住み続けられる仕組みで、老後の資金を確保したい高齢者や住宅ローンの返済が厳しい方に注目を集めています。
リースバックを利用するのであれば、「家賃」がどのように設定されるかは、知っておきたいポイントです。
この記事では、リースバックの家賃相場や買取価格の関係性、家賃を決める要素について解説します。
リースバックの家賃の仕組み
リースバックの家賃は、通常の賃貸物件と異なり、物件の買取価格やリースバック事業者の設定した利回りが影響します。
仮に、リースバックでの売却価格が数千万になったとして、ただそれが分割されるのではなく、購入者である事業者の利回りに基づき計算され、賃料として設定されることが多いです。
また、リースバック事業者には物件の再売却の選択肢もあるため、より収益になる方法で不動産を運用します。
ただし、すでに借主が決まっていれば運用のリスクも少なくなります。
今の家に住み続けたい住人と、事業者との双方にメリットがあるため成り立っている仕組みなのです。
通常の賃貸とリースバックの家賃比較
結論から言って、通常の賃貸とリースバックの家賃を比較すると、リースバックの方が高めの家賃となることが多いです。
通常の賃貸では、その地域の賃貸相場を基に決定されますが、リースバックの場合は買取価格や利回りも考慮されるためです。
例えば、通常の賃貸で月額10万円の物件でも、リースバックでは月額13万円になることが珍しくありません。
リースバックを検討する際は、今の家に住み続けるメリットと、家賃の差も考慮することが大切です。
メリットについて詳しくはこの記事をご覧ください。
リースバックの家賃が高い理由
リースバックの家賃は、通常の賃貸に比べて高めに設定されることが多いです。これは単に事業者の利益だけでなく、リースバック特有の条件が関係しています。
ここでは、リースバックの家賃が高くなる理由について詳しく解説します。
家賃設定の基本要素とは?
まずは、リースバックの家賃の一般的な内訳について知っておきましょう。
リースバックの家賃は、地域の相場で価格が決まる通常賃貸の家賃とは異なり、以下の内訳で構成されます。
・物件の買取価格
・利回り
・維持費
物件の買取価格が家賃に与える影響
リースバックの家賃設定には、物件の買取価格が大きく影響します。
もし、物件をリースバックした場合、年間賃料は買取価格に基づく利回りで計算されるため、月々の家賃もこれに左右されます。
そのため、高く売れてもその後の家賃負担が大きくなることも考えられます。
事業者の期待利回りと家賃の関係性
リースバックでは、事業者の期待利回りが家賃に影響を与えます。
期待利回りは、リースバック事業者が物件を購入する際に設定する収益目標で、一般的には5〜10%の範囲で設定されます。
この利回りが高いほど家賃も高くなります。
例えば、買取価格2,000万円の物件で利回りが8%の場合、年間家賃は160万円(月額約13万円)となります。
リースバックの家賃には維持費が含まれる
実は、リースバックの家賃には固定資産税や修繕費など、住宅の維持費も含まれています。
これまで支払っていた税金や、自腹で支払っていた外壁や屋根の修繕など建物のメンテナンス費、エアコンや給湯器など設備の修理・交換費用は、事業者が支払います。
また、防犯対策として防犯カメラやドアロックの点検・交換費など、新たな設備を事業者が追加することも考えられます。
家賃として支払う必要はあるものの、個別に対応する手間や煩わしさはなくなるでしょう。
リースバックの家賃はさげられるのか?
リースバックの家賃が高いと感じた場合、家賃を下げることが可能かどうかは気になるポイントでしょう。
リースバックでは通常の賃貸のように簡単に交渉ができるわけではありませんが、状況によっては家賃交渉が可能なケースもあります。
ここでは、交渉に必要な情報の集め方や、ポイントなど解説します。
事前に確認しておきたい相場の調べ方
リースバックを利用する前に、事前に家賃相場を調べるようにします。
相場を確認する方法は、不動産会社の査定シミュレーションや一括査定サイト。国土交通省の「土地総合情報システム」などが活用できます。
「土地総合情報システム」は誰でも安心して不動産の取引を行えるように、実際の取引価格情報を数多く蓄積し一般公開する、不動産取引価格情報提供制度に基づくシステムです。
これらのツールを使うことで、地域ごとの賃貸相場や売買価格の傾向を把握し、リースバックの家賃や買取価格の妥当性を見極める参考にしましょう。
家賃交渉に役立つポイント
リースバックの家賃を交渉する際には、複数のリースバック事業者から見積もりを取る「相見積もり」が効果的です。
相見積もりを行うことで、より良い条件で契約できる可能性が上がるでしょう。
また、現在の住宅ローン支払い額を参考に、同程度の家賃を希望することも交渉の材料となるかもしれません。
定期借家契約と普通借家契約の違いによる影響
借家契約の内容によって家賃やその後の生活に大きな影響を与えます。
定期借家契約の場合、契約満了後の更新が保証されないので、期間後に引っ越さなければならなくなるリスクもあります。
一方、普通借家契約は契約更新が可能で、長期間住み続けられる可能性が高くなります。
ただし、定期借家契約と比較すると賃料が高く設定されることもあります。
定期借家契約 | 普通借家契約 | |
契約期間 | 一定期間のみ、更新なし | 契約更新が可能 |
契約終了後の対応 | 契約終了後、退去が必要 | 契約更新により、引き続き居住可能 |
賃料 | 低い | 高い |
まとめ
リースバックの家賃設定には、買取価格や事業者の期待利回りなど複数の要素が影響しています。
通常賃貸に比べて割高になる傾向はありますが、物件を手放すことなく住み続けられる点でリースバックの利便性は高いといえます。
家賃の妥当性を確認するためにも、事前に相場を調べたり、事業者との交渉を行ったりすることが大切です。