リースバックはデメリットしかない?後悔するケースを紹介
リースバックは、まとまった資金を得ながら自宅に住み続けられる便利な仕組みである一方で、実際に利用してみて後悔する人もいます。
そのため、リースバックのメリットとデメリットを理解し、適切な判断をすることが大切です。
本記事では、リースバックの基本的な仕組みをおさらいし、主にどんなデメリットや後悔があるのかということを解説します。
リースバックとは?
リースバックは、自宅を売却することで現金を得ながら、そのまま住み続けることができる制度です。
やむを得ない事情で自宅を手放す必要がある人や、まとまった資金が必要な人にとっては、資金を得ながら生活への影響を最小限に留める手段の一つです。
仕組み
リースバックの仕組みはいたってシンプルです。
利用を開始するまでの契約は、大まかに以下の流れで進められます。
- 不動産会社と自宅の売買契約を結ぶ。
- 同時に同じ不動産会社と賃貸契約を結ぶ。
- 売却資金を受け取る。
- 毎月家賃を支払う。
また、必要であれば将来的に売却した自宅を買い戻すことも可能です。
なぜ必要?
リースバックが必要とされる背景には、人それぞれの事情があります。
その主な理由について、具体的なものを以下にまとめました。
- 急な医療費や介護費の必要
事故や病気により大きな医療費や介護費を支払う必要が生じたが、手持ちの現金が不足している場合。
- 生活費の確保
失業や定年により収入が減少したり、退職後の生活費を確保したりするためにまとまった現金が必要な場合。
- 教育費の捻出
子どもの大学進学や留学などにかかる教育費を支払う必要がある場合。
- 事業資金の調達
新しい事業を始めるための資金や、現事業の資金繰りが厳しい場合。
- 住宅ローン返済の負担軽減
住宅ローンの返済が困難になり、毎月の支払い負担を軽減したい場合。
- 固定資産税の支払い負担軽減
固定資産税の負担が大きく、支払いが難しい場合。
- 引っ越しを避けたい
長年住み慣れた家を離れたくない、家族の通勤・通学環境を変えたくない場合。
- 離婚後の資金確保
離婚後にまとまった資金が必要な場合。
- 相続に伴う資金確保
相続税の支払いなどで現金が必要な場合。
- 老後の生活資金
老後の生活を安定させるための資金が必要な場合。
リースバックの主なデメリット
リースバックは、資金調達手段の一つであるものの、リスクを理解して契約を進めなければなりません。
ここからは、リースバックの主なデメリットを紹介します。
家賃の支払いが必要
リースバックでは、通常の賃貸契約と同様に毎月家賃と管理費の支払いが発生します。
賃貸契約を結んでいる限り、毎月かかってくる費用です。
仮に任意売却と併用している場合、ローンと家賃の両方を支払う必要があるので、大きな負担になります。
固定資産税や修繕費が不要となることはメリットですが、そのほかの負担が増えることも理解しておきましょう。
賃貸期間の制限
リースバックは通常2年以内の定期借家契約が結ばれます。
しかし、不動産会社の都合により再契約を拒否されるケースもあります。
再契約が許可されなければ、新たに引っ越し先を探す必要があるので長く住み続けたいという希望が叶わない可能性もあります。
売却価格の低さ
リースバックで売却する不動産の価格は、基本的に市場価格よりも低く設定されます。
およそ相場の7〜9割程度で売却される可能性が高く、通常の売却のほうが高く売れます。
一方、スピーディーに現金化できるので、早急に資金が必要な場合や、売却までのタイムリミットがある場合に用いられています。
契約に縛られる
自宅の所有権が不動産会社にうつるため、不動産会社の決めた契約に沿って自宅を使用する必要があり、今まで通りに使えなくなる可能性があります。
基本的に勝手に改築・改修ができず、退去時には原状回復が必要になります。
リースバックを利用して後悔するケース
ここからは、リースバックを利用して後悔したというケースを紹介します。
相続人への説明が不十分
家を相続するつもりだった子供や親戚に相談せずにリースバックを行ったことで、親族との関係が悪化したという事例もあります。
特に、家族のなかで相続に関する期待があった場合は、後からトラブルになる可能性が高いので、可能な限り理解を得ておくことが大切です。
再契約できなかった
定期借家契約でリースバックを行い、再契約が可能と聞いていたが、契約満了時に再契約を拒否されてしまったというケースもあります。
再契約ができずに退去を余儀なくされ、住環境の変化に適応できず後悔したという事例です。
なかには勝手に売却されて、更新できなかったというケースもあるようです。
実際には、勝手に売却されたり拒否されることは少ないものの、不動産会社のなかには早めに転売して利益回収を図る企業もあるので売却先は慎重に選ぶ必要があります。
ホームページを確認して、リースバックの実績がある不動産会社を探しましょう。
賃料が上がった
リースバックの契約時に家賃が据え置きと約束されたが、実際には再契約時に家賃の引き上げを要求されたという人もいます。
家計が圧迫され、結果的に家賃が払えなくなり、引越しを余儀なくされる可能性もあります。
家賃据え置きに関しては、口約束である場合がほとんどなので信頼できる会社を選ぶか、家計に余裕を持たせるためにリースバックを使わない選択肢を持つことも大切です。
そもそもリースバック契約ができなかった
リースバックが利用できないケースもあります。
そもそも、買取額が住宅ローンの残債を下回っている場合、勝手に家を売ることができません。
残債のある住宅を売却するためには、ローンの支払い先である「抵当権」をもつ金融機関の同意が必要です。
また、金融機関に抵当権を外させるためには、「任意売却」を専門とする不動産会社に相談する必要があります。
デメリットを理解して信頼できる不動産会社を選ぶ
リースバックは不動産を早急に現金化でき、なおかつそのまま住み続けられる便利な選択肢であるものの、デメリットも理解して利用しなければなりません。
リースバックの主なデメリット
- 家賃の支払いがある
- 再契約ができない可能性
- 購入金額が相場よりも安い
- 契約に縛られる
また、不要なトラブルを回避するためには、リースバックの実績がある不動産会社を選ぶことが大切です。
ホームページを確認し、実績を公開しているか、ノウハウを持っているかなどチェックして信頼できる会社を探しましょう。
以上の点を理解して、リースバックを利用するかどうか慎重に判断しましょう。