老後の不動産売却はNG?デメリットと現金化する方法を解説
老後に不動産を売却したいと考えたとき、気になるのはそのリスクではないでしょうか?
生活を年金や貯金に頼ることになる老後で、安定した持ち家を手放すことに不安を感じる人もいるかもしれません。
この記事では、老後に不動産売却をするメリットやデメリット、リスク管理を踏まえた有効な売却方法を紹介しています。
老後に不動産を売却するケース
まずは、老後にどのようなケースで不動産を手放すのか、考えられるシチュエーションを紹介します。
高齢者に合った環境へ引っ越すため
日本人の平均寿命は長い分、高齢による体の衰えにも対処できる環境が必要です。
そのため、段差の少ないバリアフリー住宅への引越しを検討する方も多くいます。
また、病院やスーパーが近くにある場所だとなお安心です。
現住居が階段の多い一戸建てや、交通アクセスが悪い場合、不動産を売却して利便性の高い場所や設備が整ったマンションなどに住み替えることは、より快適で安心した生活を送るための有効な手段です。
家族構成の変化に伴い、部屋数の少ない家へ住み替えるため
子どもが独立して夫婦のみの生活になると、大きな家や部屋数が多い住まいは、掃除が行き届かず、管理が大変になるでしょう。
また、広すぎる住居は維持費や光熱費が高くつくため、必要な部屋数やサイズに見合った住居に住み替える人もいます。
売却した資金をもとに、管理が楽なマンションやコンパクトな一戸建てに移住するケースも増えています。
定年後に通勤の必要がなくなったため
定年退職後、通勤の必要がなくなり、都心から郊外や自然豊かな地方へ移住する人もいます。
大都市の不動産は売却価格が高くなるので、その資金をもとに、生活コストの低い地域や自然環境が豊かな場所に移住することも考えられます。
生活の利便性や趣味を楽しめる場所を重視して、老後のライフスタイルを充実させる魅力的な選択肢になるでしょう。
相続を見越して
将来の相続トラブルを避けるために、資産を現金化するため売却するケースもあります。
相続人が複数いる場合や、相続人間での意見の不一致が予想されるのであれば、選択肢の一つになるでしょう。
現金化することで、公平な分配が可能になります。
生活が苦しくなる可能性
老後の生活が苦しくなる可能性があれば、売却してまとまった資金を得ることも検討します。
老後は高齢化や健康問題によって収入が落ちる可能性が高いです。
不動産を売却して得た資金を生活費に充てることで、経済的な安定を図ることも豊かな老後を送るための選択肢になるでしょう。
また、住居の維持費や税金の負担軽減にもなります。
老後に不動産を売却するメリット
老後の不動産売却には以下のようなメリットがあります。
住環境の最適化
不動産を手放すことで、生活環境を年齢にあったものにシフトが可能です。
子どもが独立した後は、広い家を維持する必要がなくなるため、よりコンパクトで管理が簡単な住まいへ移ることも可能です。
光熱費や管理費を削減でき、老後の経済的負担が軽くなるでしょう。
また、静かで自然に囲まれた場所や、医療機関や商業施設が近くにある便利な立地に住み替えることで、理想の生活を実現できます。
老後資金の確保
不動産を売却することで、一時的にまとまった資金を手に入れることができます。
資金が不足する可能性のある老後でも、経済的な安定感を得ることができます。
また、固定資産税などの税負担を軽減することも可能です。
住宅ローンの完済
残りのローン金額によっては、家を売却して住宅ローンを完済が可能なこともあります。ローン返済がなくなることで、安定した生活を送りやすくなるでしょう。
また、「リースバック」を活用すれば売却した家に住み続けることも可能です。
相続問題の回避
不動産は相続時に分割が難しく、トラブルが発生しやすい資産です。
しかし、家や土地を売却して現金化すれば、相続人全員に平等に分けやすくなります。
相続時の揉め事を未然に防ぎ、相続手続きをスムーズに進めることができます。
早めに対策を講じることで、家族全員のその後の生活を守ることにつながります。
老後に不動産を売却するデメリット
老後に自宅などの不動産を手放すことは、当然ながらリスクもあります。
ここで紹介するデメリットを理解して、検討しましょう。
手続きや移転の負担
売却に伴う手続きや新居探し、引越しなどの手間がかかり、心身の負担が大きくなることも。
手続きや移転の負担
高齢者は収入や健康リスクから賃貸住宅の審査に通りにくい可能性もあります。早めの対処が有利でしょう。
家賃の支出
賃貸に移ることで、毎月の家賃や管理費が新たな経済的負担となります。
売却価格の低下
住宅の経年により不動産の価値が下がり、予想より低い売却価格となる可能性があります。
老後に不動産を現金化する方法
老後にはある程度のまとまった資金が必要です。
ここでは、不動産を売却することも踏まえ、改めて老後の資金調達手段について解説します。
自宅を売却する
不動産会社を通じて第三者に自宅を売却する方法です。売却の際には、売買契約時に一部の代金(総額の5〜10%)を受け取り、残りの金額は引き渡し時に受け取ります。
自宅を売却すると、新しい住まいを借りる、購入する、または老人ホームに入居するなどの選択肢があります。
おすすめの人
・老後の生活を新たに始めたい
・夫婦2人での生活に適した小さな住まいに引っ越したい
・別の地域に移りたい
リバースモーゲージ
リバースモーゲージは、自宅を担保にして融資を受ける方法です。
融資額は一括または分割で受け取ることができ、返済は借入者が死亡したときや契約終了時に、自宅の売却金などで行われます。
金融機関や社会福祉協議会が取り扱っており、それぞれ条件が異なるため、自分の条件に合った機関を選ぶことが大切です。
特徴
・利息のみの支払いで毎月の負担が軽い
・返済は自宅の売却金やそのほかの資産から行われる
リースバック
リースバックは、自宅を不動産会社に売却し、そのまま賃貸契約を結んで住み続ける方法です。売却代金を一括で受け取ることができ、さらに今の住まいに引き続き住むことができます。また、不動産会社が買い取るため、売却もスムーズに行えます。月々の家賃が発生するものの、固定資産税などの税金や相続対策にもなるので選択する人も増えてきています。
おすすめの人
・現在の住居に住み続けたい
・一括でまとまったお金が必要
・住宅維持費を節約したい
スムーズに現金化したいならリースバックの利用を検討する
リースバックを選択すれば、自宅を売却後も賃貸契約で住み続けられます。
一括で現金を受け取れることや、住み慣れた環境を維持できることが大きなメリットです。
また、現金化もスムーズに行えるため思い立ったときに実行にうつせ、柔軟なライフプランを実現しやすくなるでしょう。
リースバックについては、この記事でも詳しく解説しているので合わせてご覧ください。