不動産売却

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アンダーローンとは?ローンの残っている家を売る方法

住宅ローンを利用して家を購入した場合、家を売る際に気になるのがローン残高と売却価格の関係です。

もし、ローンの残高が家の売却金額よりも少ない状態であれば、それは「アンダーローン」と呼ばれ、家を売るには非常に有利な状況となります。

この記事では、アンダーローンの状態で家を売却する方法やメリット、さらにはオーバーローンになった場合の対応方法についても解説します。

家を売るならアンダーローンで

家を売る際、アンダーローンの状態であればメリットも多いですし、売却手順も容易です。

ここでは、そのメリットと、売却までの具体的な流れを説明します。

アンダーローンの状態で売却するメリット

アンダーローンで家を売ることには多くのメリットがあります。

まず、家を売却して得たお金でローンを完済でき、その上で諸費用を差し引いても利益が出る可能性があります。

さらに、得られた利益を次の住宅購入費用や引っ越し費用に充てることができるので、売却後の生活にゆとりも生まれるでしょう。

一方、ローン残高が売却金額を上回る状態を「オーバーローン」と呼びます。

オーバーローンの場合は、売却金額ではローンを完済できないため、別途追加でお金を用意するか、売却を延期・中止する必要があります。

オーバーローン状態で家を売る方法の後に解説します。

アンダーローン時の売却手順

1.新居の計画を立てる
新居の購入を考えている場合、売却額が確定する前に新居を決めるか、売却金額を見て新居を決めるかを選択する必要があります。売り先行(先に家を売却)や買い先行(先に新居を購入)といった方法がありますが、住宅ローンが残っている場合は売り先行が一般的です。

2.不動産会社と媒介契約を結ぶ
不動産会社と媒介契約を結び、売却活動をサポートしてもらいます。媒介契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約があります。それぞれに特徴があり、複数社と契約するか、一社に絞るか、売主自身が買主を見つけるかが決まります。

3.家を売りだす
家の売却活動を進めるために、内覧対応や価格設定を行います。不動産会社が中心となって行いますが、内覧には立ち会うことも可能です。

4.売買契約を結ぶ
買主が決まったら、売買契約を締結し、手付金を受け取ります。この際、売却金額や引き渡し時期についての交渉が行われることもあります。

5.決済と引き渡し
売買契約後、1カ月以内を目安に決済と引き渡しが行われます。ローン残高が完済されることを確認し、必要な書類を整えて決済を進めます。

6.確定申告を行う
家を売った際に得た利益があれば、翌年に確定申告を行う必要があります。譲渡所得税を軽減する特例を利用できることもあります。

ローンが完済しないと売れない理由

家を売る際には、住宅ローンを完済し、ローンに対する「抵当権」を外す必要があります。抵当権とは、ローン返済が滞った場合に金融機関が家を売却して債権を回収するための権利です。これが外れないと、買主が家を購入してもその後の所有権に問題が生じます。そのため、家を売却する際にはローン残高を完済し、抵当権を解除してから手続きを進めることが基本となります。

アンダーローンかどうか調べる方法

今住んでいる家がアンダーローンかどうかを調べるには、以下のような手順を踏みましょう。

1.ローン残高を確認
自分のローン残高を確認します。これは、住宅ローンの返済明細書や金融機関へ問い合わせることで確認できます。

2.不動産会社に査定を依頼
不動産会社に家の査定を依頼し、現在の家の市場価値を確認します。インターネット査定だとスピーディーに調べられますが、訪問査定を受けることでより詳細な金額がわかります。

3.諸費用を計算
売却にかかる諸費用(仲介手数料や登記費用など)を見積もります。

4.差額を計算
「査定額−ローン残高−諸費用」で手元に残るお金を計算し、利益が出るかどうかを確認します。残る金額があればアンダーローンとなります。

ローンが残る場合でも家を売る方法

アンダーローンでない場合には、ローン残高が売却価格を上回るため、いくつかの対応方法を検討する必要があります。

多くの選択肢がありますが、ここでは代表的な方法を解説します。

差額を自己資金で賄う

アンダーローンでない場合、ローン残高と売却金額の差額を自己資金や借入で補う方法があります。

預貯金を取り崩して現金を用意するか、親族からお金を借りることも考えられます。

差額が比較的小さい場合や、できるだけ早く売却を完了させたい場合に有効です。

ただし、自己資金を使うことでその後の生活に影響を与える可能性もあります。

住み替えローンの利用

住み替えローンは、現在の住宅ローン残高と新しい住宅ローンをひとつにまとめるローンです。

ローンの返済額を統合することで、新しい住居に引っ越しながらも旧住宅のローン残高を解消できます。

オーバーローン(住宅ローン残高が物件の売却金額を上回る状態)でも売却できる可能性があるものの、金融機関による審査が必要です。

売却の延期を検討する

住宅市場が低迷している場合や、ローン返済が一時的に厳しい場合、売却を延期することを検討する選択肢もあります。

売却時期を見直すことで、より高値で物件を売却できる可能性があります。

また、延期中に住宅ローンの返済計画を再検討し、返済額の見直しや借り換えを行うことも大切です。

任意売却を検討する

もしローンの返済が困難で、どうしても家を手放さなければならない事情があれば、任意売却を検討します。

任意売却は、ローンの返済が難しくなった際に、住宅ローンを提供している金融機関と交渉し、売却手続きを進める方法です。

通常の住宅売却と異なり、ローン残高が物件の売却価格を上回る場合に用いられます。

任意売却について詳しくは、この記事もご覧ください。

まとめ

アンダーローンの状態であれば、家を売却して得たお金でローンを完済できるため、売却は非常にスムーズに進みます。

ローン残高と売却金額の差額がプラスであることを確認した上で、売却手続きを進めましょう。

もし、オーバーローンの状態で、早めに家を手放さなければならないのであれば、任意売却も検討します。

任意売却は、専門の不動産会社に手続きを進めてもらう必要があるので、まずは相談してみることが大切です。